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Ⅲ 武蔵大学

教育センター

基礎教育センター

 1991(平成3)年施行の大学設置基準の改正,いわゆる大綱化を受けて,カリキュラム改訂とそれに対応した教員組織について議論が行われた。この結果,96年に,武蔵大学の自然科学,身体運動科学等の基礎教育の推進および充実を図るとともに,その基礎教育が,経済学部・人文学部という文科系学部の専門教育に寄与することを目的として基礎教育センターが設置された。当初,自然科学3名,体育4名の計7名の教員が配属され,人文学部の教授会に属した。

 96年のカリキュラム改訂で,基礎教育科目として,経済学部は基礎科目,身体運動科学科目,総合科目,外国語を,人文学部は共通関連科目,身体運動科学科目,外国語を置いた。98年に発足した社会学部は総合教育科目,身体運動科学科目,外国語を置いた。いずれもそれまでの一般教育科目の精神を継承しながらも,新たな展開を期するものであった。

 このように3学部それぞれが独自の科目構造を持っていたが,それから16年が経過し,時代の大きな変革を受けて,2011(平成23)年には大幅な改訂が実施され,3学部共通の総合科目を設けた。基礎教育センターが主として担当しているのは,総合科目D群の「自然と環境」およびE群の「心と体」分野の科目である。このカリキュラム改革では,それぞれの分野は,講義科目と実践科目とに分類されることに特色があった。これまで武蔵大学で展開され,文科系大学としては充実していた自然科学実験科目やフィールドワーク科目,また,スポーツ実技科目は実践科目として展開されている。

 基礎教育センターには,12年現在,自然科学系教員と身体運動科学系教員とが6名配属されている。地球温暖化や生物多様性保全などの全地球的規模での新しい枠組みが次々と作られ,困難に直面しながらも,人類全体の問題に積極的に取り組み,未来の世代に負を押し付けないという共通認識が共有される現代である。そのため,これらの素養の基盤となる,自然科学諸分野の教育は不可欠である。また,自然科学的研究方法を,実験やフィールドで体験し実践することは,課題解決型教育によって社会人基礎力を身につける高い効果がある。

 生涯学習と生涯を通じて体を健康に保つ基盤を学生時代に築くことは,大学に求められている社会的責任の重要な一部である。また,現代では「心と体」は不可分であり,ストレスの大きな現代・大都市社会において,自らばかりでなく,周りの友人や家族の構成員が抱えるストレスの実態を的確に把握する素養と対処方が求められている。それらの問題に対する自分自身への対応と身近な人への支援の技術の習得は,豊かな社会生活の基盤である。その学問的理念と実践への学びを提供しているのが身体運動科学の研究教育である。

外国語教育センター

 1990(平成2)年代に入り,「外国語センター構想:外国語教育に関する改善試案」を推進する方針が一歩進められ,センターを設置する方向で具体的な検討が開始された。この検討を踏まえ,93年4月,AV・外国語センターが全学の視聴覚教育と外国語教育の充実を任務として発足した。その具体的な業務内容としては,第1に学内視聴覚設備の保守管理と拡充であり,第2として武蔵大学の実情に即した外国語教育プログラムの開発・実施があげられる。

 続いて96年度には,英語教育の拡充に重点化したサービスの提供を基本とするAV・外国語教育センターに移行した。同センターによる英語教育面での成果としては,英語のみを使う合宿である英語集中訓練コース(MITC),その授業版である「言語6」(英語集中実習),ネイティブ・スピーカー講師による英語でのミニ講義と質疑からなるスモール・トーク,外国語ワークショップ(外国語上達に関するカウンセリング)の導入・定着をあげることができる。

 また2002(平成14)年度半ばには,8号館にコンピュータを用いた外国語授業専用教室(CALL/Computer Assisted Language Laboratory)が竣工し,TOEFL/TOEIC対策自習設備も含む,いっそう多面的な外国語学習支援を展開することとなった。

 05年4月,AV・外国語教育センターのうち外国語教育部門を発展的に継承するかたちで外国語教育センターが発足した。新センターは,「諸外国語を教授する理念を明確に掲げ,到達目標を設定し,目標達成のために全学の外国語授業の運営に携わり,ならびに外国語教育の方法を開発し,もって本学の外国語教育の水準を向上,維持すること」(武蔵大学外国語教育センター規程第2条)をその目的としている。旧AV・外国語教育センターの中心業務であったLLやCALLなどの外国語教育施設の管理運営および正課外の外国語教育プログラムの企画運営業務等を継続しつつ,全学の正課の外国語授業の運営をその第一の重要業務として担うことになったわけである。なお旧AV・外国語教育センターの映像メディア部門は,新センター発足時に映像メディアセンターとして別組織となり,また外国語関連の視聴覚資料は,著作権の扱いの一元化などを理由に08年に図書館に移管されている。

 外国語教育センターの最高意思決定機関は「外国語教育センター委員会」で,そこには3学部選出の委員や教務委員長,関係部局の代表も加わっているため,外国語教育に関する全学的な意思決定が可能になっている。正課外国語授業の運営については,当初「センター専門員会議」において方針策定を行うにとどまっていたが,07年度からは専門員会議に教務委員が加わる合同会議において,翌年度の授業計画の決定および時間割作成のための打合せを行うこととなり,外国語教育センターが教務的な運営業務を本格的に行うことになった。

 外国語教育センターの設立以後,外国語教育向上に向けて,様々な仕組みや設備の導入がなされた。特筆すべき新規事業として,TOEIC IP(団体受験)の導入(06年度から),1年次生全員を対象としたTOEIC Bridgeの実施と1年次英語クラス到達度別クラス編成の導入(07年度から),第2CALL教室の新設(08年度)が挙げられる。また外国語教育の研究開発においては,英語Eラーニング授業の導入(08年度から),武蔵大学独自の英語単語帳『Musashi University Vocabulary Builder for English Learners』の作成(09年度)および配布(10年度から)などが行われた。

 11年度からの新中期計画の実施に合わせて,TOEIC IP学内試験・その他の英語資格検定試験・他の外国語資格検定試験を対象にした外国語学習奨励のための褒賞・勧奨制度の導入,学生がセンターの各種プログラムを利用し,また,4年間の外国語学習計画をたてる際に役立つ外国語学習案内パンフレットの作成,これまでの継続事業である外国語ワークショップ(外国語学習相談)の一環として英語学習相談アドバイザーによる英語学習カウンセリングのサービス強化などを行った。

 また同年度には,12年度後期に竣工の新1号館に開設されるMusashi Communication Village (MCV)の設立準備を開始した。MCVは,急速に進むグローバル化に対応可能な人材の育成を目的に,武蔵大学学生の語学力の向上と異文化理解に資するための学習エリアとして構想されたものある。12年10月に開村し,予約制少人数英会話レッスンの提供やクロスカルチュラル体験イベントの実施など,これまでになかった新しいタイプの教育施設として,多くの学生が訪れ,また活用することが期待されている。

情報・メディア教育センター  

 情報教育のためのコンピュータを,武蔵大学に初めて導入したのは1983(昭和58)年のことである。電子計算機室にミニコン1台と端末機14台を設置し,経済学部学生にプログラミング言語の教育を開始した。

 88年には,新設された科学情報センター棟(現9号館)に電子計算機室を移転し,名称を科学情報センター・コンピュータ室と改めた。新コンピュータ室には,小型汎用機をホストマシンとして,PC25台を端末機として備えた。このコンピュータ室は,プログラミング言語を教える授業で使用されたが,研究に使用されることはほとんどなかった。92年度に教務事務の機械化が開始されたが,このシステムは,ネットワークに接続されたものではなくオフライン処理によるものである。

 93年1月,コンピュータ環境が大きく変化した。新築した5号館の3階に,新たにコンピュータ実習室が設置され,5台のUNIXワークステーションと19台のPCを接続したクライアントサーバーシステムが導入された。この年の4月,科学情報センター・コンピュータ室は情報処理教育センターに改組された。

 94年4月には,ホストマシンの小型汎用機は,21台のワークステーションに置き換えられた。「メインフレームと端末機」からなるシステムを,「サーバー:ワークステーション+クライアント:PC」という構成にする,当時のいわゆる「ダウンサイジング」が導入されたわけである。このシステムは,当時の大学間ネットワークシステムTRAINに接続され,武蔵大学がインターネットの世界に参加することになった。

 94年の12月には,5号館,教授研究棟,現9号館の情報処理教育センターを接続する学内ネットワークが敷設され,どの建物のコンピュータからもインターネットに接続できる環境が整った。その後,TRAINの廃止にともない,プロバイダーIIJへのインターネット接続先の変更,回線速度の増速が繰り返され2002(平成14)年には10Mbpsでインターネット接続ができるようになった。

 これらのシステム導入計画は,「全学生の1割が同時にネットワークにアクセスできるネットワーク環境を目指す」という目標に向かって推進されたものである。当時の情報処理教育センターは,学内で情報技術を有する唯一の組織であり,情報教育の推進,情報ネットワーク設備の整備という業務に加えて,他部門の情報化推進の支援という面でも学内から期待されていた。92年から本格化した図書館の情報化プロジェクトには,センタースタッフが全面協力することになった。

 これを機として,センターは「学内の情報インフラストラクチュア」としての性質を有するようになってきた。2000(平成12)年4月,全学的な情報システム支援を目指す組織として,情報システムセンターに改組された。また,6号館,7号館の新施設完成に合わせて,Gigabit Ethernet,6号館の新サーバーRS/6000 H70,ファイル・サーバー専用機AuspexNS200,IBM-PC 20台による7203PC演習室が新たに導入された。

 2000年代に入ると,それまでに検討されていた設備拡張計画が次々に施行されることになる。大学6号館コンピュータ実習室,大学7号館7102,7104,7201演習室が01年~02年に増設された。02年8月の大学8号館新設に合わせて学内ネットワークが増築され,IIJとの接続回線が10Mbpsにスピードアップされ,学内ネットワークにGigabit Ethernetが増設された。04年には,9号館2階にコンピュータ教室2を新規設置しIIJ接続回線も100Mbpsにスピードアップされた。05年には9201教室が新規に設置され,新たにIBM-PC Think Centre56台が稼働を始めた。

 毎年のように,PC教室等の設備が拡張されたが,それでもなお教室の稼働率は上がり続けた。それだけ,PC教室を利用する履修クラスが増加したということである。

 05年9月には,8号館8階記念ホールおよび会議室,8号館7階ラウンジ,8号館5階 8502教室,8号館3階 空中庭園,1号館1階 学生ラウンジ,学生食堂に無線LANのアクセスポイントを設置し,教室設備以外の場所でもネットワークにアクセスできるような環境を整備した。PC価格の低下により学生のNOTE-PCの所有が増えている状況への対応を先取りしたものである。

 センターが,ネットワークの浸透とともに対応しなければならなくなったのは,映像データのデジタル化である。すでにテレビ放送は地上デジタル波になり,インターネットには映像配信を提供するプロバイダーがビジネス展開していることからも分かるように,これまで別物だったテキスト,数値,画像,音声,映像などあらゆるタイプの情報が,同一のネットワーク上を往来する時代になった。

 06年4月に情報・メディア教育センターに改組し,以来このような世の中の流れに対応している。08年4月に8401教室,8402教室のCALLシステムの導入,09年3月の3号館2教室,4演習室のAV機器設置を初めとして,10年3月の3号館18教室5演習室のAV機器設置・リプレイスをもって,すべての教室に設置されたAV機器を同一仕様のものに統一した。

 このような情報機器・映像機器等の機種の標準化を,事務システムを含めて全学的に推進するとともに,11年6月に発足した法人の情報システム部とともに,教学組織および事務組織両者にわたって,管理業務そのものを統合化する方向で整備を進めている。その一環として,11年4月よりアウトソーシングによるヘルプデスク業務を開始し,教学組織および事務組織をともに業務支援している。

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