根津化学研究所開所記念式
根津化学研究所開所記念式
1936年、根津嘉一郎理事長の喜寿を祝って父兄会・同窓会より贈呈された根津化学研究所の開所記念式。
学園創立者の根津理事長が喜寿を迎えるに当たり、父兄会・同窓会では祝賀行事を計画していた。
しかし根津理事長は行事が個人的なものとなることを好まなかったため、理事長の意向に従い喜寿祝として「研究所」が学校に寄贈されることとなった。
父兄会・同窓会から祝賀に寄せられた基金は約2万8千円であったが、根津理事長はこれとほぼ同額を自らも拠出し、研究所の維持費に充てた。
研究所の視察。左より来賓の櫻井錠二博士、玉蟲文一教授、根津嘉一郎理事長、山本良吉教頭
研究所長には玉蟲文一教授が補されて物理化学を中心とした研究活動がなされ、玉蟲教授の研究室は研究所内に現在もそのままの状態で保存されている。
玉蟲文一
記念写真に写っているのは、左から山川黙教授、根津藤太郎(2代目根津嘉一郎)、玉蟲文一教授、根津嘉一郎理事長、山本良吉校長、櫻井錠二博士(学士院長)、正田貞一郎理事、下條康磨(次代父兄会長、のち文部大臣)、明石照男(父兄会長、第一銀行頭取)、佐野利器(父兄会副会長、東京帝国大学教授)、宮島清次郎理事、太田嘉太郎(次代父兄会副会長)、太刀川平治(前父兄会副会長、電気学会会長)。
玉蟲文一
設計は当時父兄会副会長だった佐野利器博士、東京駅や学士会館を設計した建築家である。
棟続きの化学教室棟と共に武蔵の理科教育を担ってきたが、1987年に化学教室棟は撤去され、根津研究所を覆うようにして大学9号館が建築される。
根津化学研究所(左)と取り壊される化学教室棟(右)