外遊制度
外遊制度
「世界に雄飛するにたえる人物」たらしめるべく、優秀な高等科生徒を国外に旅行させた制度で、1927年の第1回から1943年の第17回まで行われた。
在学中病没した生徒父兄からの寄附をもとに職員その他有志の寄附を集めて外遊基金団が発足し、外遊資金に充てられた。
外遊生は成績最優秀の高等科生徒が選ばれ、高等科二年生の夏の二カ月程度が研修期間とされた。
第1回外遊生
外遊生には当時の金額で千円近くが費用として渡されて使途は裁量に任されたが、これは当時の成年の年収に相当する。
渡航先は英国領マレーシア、タイ、米国カリフォルニア、オランダ領ジャワ、満州国および中華民国などである。
外遊生として選ばれた生徒には根津藤太郎(二代目根津嘉一郎)、宮澤喜一(内閣総理大臣)、志賀秀三(東大名誉教授)らがいる。
第11回外遊生宮澤喜一
戦争の激化により、第17回を最後に外遊制度は中止された。