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武蔵学園データサイエンス研究所
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わが国におけるデータサイエンス活用の裾野を広げることを目的とし、研究、教育方法の開発及び社会への啓発活動を実施するため、また、社会科学、人文科学の素養を兼ね備えたデータサイエンティストを育成することや学問体系としての「社会科学・人文科学の視点に立つデータサイエンス」を確立することを目的として、2017(平成29)年7 月、有馬朗人学園長を研究所長とし武蔵学園データサイエンス研究所が設立された。研究所には、データサイエンスに見識を持つ学外の有識者をアドバイザリーボードとして招聘することとした。
設立にあたり研究所員の小田原敏武蔵大学教授が研究所のリーフレットやポスター制作にあたり、自らデザインし写真も手掛けた。有馬所長が地球型のボールを持ち「正岡子規もデータサイエンティストだった」と誰もが目を引くコピーのポスターが完成し、全国の大学、高校に設立案内とともに送付された。
こうした理念のもと、設立後初の企画として、2018 年11 月、武蔵学園データサイエンス研究所設立記念講演会が開催された。講演会の第1 部では、「データサイエンスの展開~社会科学分野への提言~」をテーマに、アドバイザリーボードの岩崎学横浜市立大学教授による基調講演が、第2 部では「社会科学分野におけるデータサイエンス研究、教育」をテーマに、研究所アドバイザリーボードと有識者によるパネルディスカッションが行われた。2020年11 月には、「ニューヨークタイムズ紙の量的テキスト分析を通じた150 年間の地政学的脅威の測定」をテーマとした講演会が、さらに同月「仮想通貨とブロックチェーン」をテーマとした
講演会が開催された。また、東京オリンピック2020 閉会後のタイミングに合わせ、2021年12月には、「データ活用が変えるスポーツと社会」をテーマとした講演会が開催された。いずれの講演会も全国から研究者、学生らが参加し、講演会後には会場とオンライン双方で活発に意見が交わされ、盛況のうち終了した。
そのほか研究所の活動としては、研究所所員とアドバイザリーボードや有識者による対談を武蔵学園公式Web サイトに公開し、定期的に研究所の活動を広く社会に向けて発信している。対談シリーズの第1 回(2019年9 月)は「統計をベースとしたデータサイエンスの可能性」をテーマに掲げ研究所員の庄司昌彦武蔵大学教授が、アドバイザリーボードの岩崎学横浜市立大学教授を訪ね、両大学におけるデータサイエンス教育の取り組みや人文・社会科学系大学におけるデータサイエンス教育の可能性について議論を深めた。第2 回(2021年2 月)は「新型コロナウイルスの流行と医療データ収集の課題」をテーマに掲げ研究所員の針原素子武蔵大学准教授が、アドバイザリーボードの大江和彦東京大学教授とオンラインによる対談を行い、新型コロナウイルスに関する医療情報の収集等に関する討論を行った。
また、研究所と学部(学生)との連携においては、データアーカイブ(ICPSR)の提供や、前述した講演会への参画などの活動が積極的に進められている。
2020 年12 月、有馬朗人所長が逝去した後、池田康夫学園長がその遺志を継ぎ、研究所長に就任した。