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武蔵学園データサイエンス研究所
第2代校長山川健次郎―古武士の魂と科学者の合理性(三澤正男)
旧制生徒の進級・留年と健康問題(井上俊一)
武蔵高等学校同窓会―発足の経緯(武蔵高等学校同窓会)
戦時下の武蔵―空襲を中心として―(庄司潤一郎)
山本良吉「と」武蔵学園(その2)―〈建学の三理想〉の系譜学―:山本没後―戦後の顕彰的語りと大坪秀二の学園史研究(吉川弘晃)
太田博太郎―武蔵出身学園長の事績と「抱負」(畑野勇)
中学校社会科「卒業研究」への展開(柿沼亮介)
高等学校「総合講座」への展開(柿沼亮介)
第二外国語と国外研修制度の展開(柿沼亮介)
田中郁三理事長・学園長(武蔵学園記念室)
多才の人、有馬朗人学園長(三澤正男)
武蔵学園構内で確認された疥癬タヌキと2017~2018 年のタヌキの生息状況 (白井亮久)
卓見異見(根津公一)
あとがき
武蔵学園百年史刊行委員会 委員一覧・作業部会員一覧・『主題編』執筆者一覧
武蔵大学「白雉祭」案内冊子ページ
武蔵高等学校中学校「記念祭」案内冊子ページ
武蔵学園史年報・年史類ページ
付録資料のページ
わが国におけるデータサイエンス活用の裾野を広げることを目的とし、研究、教育方法の開発及び社会への啓発活動を実施するため、また、社会科学、人文科学の素養を兼ね備えたデータサイエンティストを育成することや学問体系としての「社会科学・人文科学の視点に立つデータサイエンス」を確立することを目的として、2017(平成29)年7 月、有馬朗人学園長を研究所長とし武蔵学園データサイエンス研究所が設立された。研究所には、データサイエンスに見識を持つ学外の有識者をアドバイザリーボードとして招聘することとした。
設立にあたり研究所員の小田原敏武蔵大学教授が研究所のリーフレットやポスター制作にあたり、自らデザインし写真も手掛けた。有馬所長が地球型のボールを持ち「正岡子規もデータサイエンティストだった」と誰もが目を引くコピーのポスターが完成し、全国の大学、高校に設立案内とともに送付された。
こうした理念のもと、設立後初の企画として、2018 年11 月、武蔵学園データサイエンス研究所設立記念講演会が開催された。講演会の第1 部では、「データサイエンスの展開~社会科学分野への提言~」をテーマに、アドバイザリーボードの岩崎学横浜市立大学教授による基調講演が、第2 部では「社会科学分野におけるデータサイエンス研究、教育」をテーマに、研究所アドバイザリーボードと有識者によるパネルディスカッションが行われた。2020年11 月には、「ニューヨークタイムズ紙の量的テキスト分析を通じた150 年間の地政学的脅威の測定」をテーマとした講演会が、さらに同月「仮想通貨とブロックチェーン」をテーマとした
講演会が開催された。また、東京オリンピック2020 閉会後のタイミングに合わせ、2021年12月には、「データ活用が変えるスポーツと社会」をテーマとした講演会が開催された。いずれの講演会も全国から研究者、学生らが参加し、講演会後には会場とオンライン双方で活発に意見が交わされ、盛況のうち終了した。
そのほか研究所の活動としては、研究所所員とアドバイザリーボードや有識者による対談を武蔵学園公式Web サイトに公開し、定期的に研究所の活動を広く社会に向けて発信している。対談シリーズの第1 回(2019年9 月)は「統計をベースとしたデータサイエンスの可能性」をテーマに掲げ研究所員の庄司昌彦武蔵大学教授が、アドバイザリーボードの岩崎学横浜市立大学教授を訪ね、両大学におけるデータサイエンス教育の取り組みや人文・社会科学系大学におけるデータサイエンス教育の可能性について議論を深めた。第2 回(2021年2 月)は「新型コロナウイルスの流行と医療データ収集の課題」をテーマに掲げ研究所員の針原素子武蔵大学准教授が、アドバイザリーボードの大江和彦東京大学教授とオンラインによる対談を行い、新型コロナウイルスに関する医療情報の収集等に関する討論を行った。
また、研究所と学部(学生)との連携においては、データアーカイブ(ICPSR)の提供や、前述した講演会への参画などの活動が積極的に進められている。
2020 年12 月、有馬朗人所長が逝去した後、池田康夫学園長がその遺志を継ぎ、研究所長に就任した。